『畠口町漁港』再生プロジェクト
海の時間を戻し、有明の海苔・アサリを未来に残したい
はじめに
有明海の干潟の恵みを受け、戦後から海苔養殖とアサリ採貝をおこなってきた畠口漁業協同組合。漁港を守りたい、ひいては海苔養殖とアサリ貝採貝を永続させることで、町を守りたいという想いで発足いたしました。
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▲海苔養殖の様子
畠口町で作る海苔は品質が良いと全国的に評価をいただいており、畠口町独自のブランド海苔「富士」は高級品として関東の百貨店でお歳暮などにも利用されております。
しかし一方で、熊本地震に起因する漁場の環境変化が著しく、昭和の時代には県内有数の採貝量を誇ったアサリ貝はいま採貝ができない状態です。
このまま変化に身を任せていては、近い将来、海苔養殖もできなくなってしまう可能性があります。
海苔養殖を永続させるためには環境改善をおこなうことが急務ですが、組合をはじめとした地域内でそのすべてを捻出することが難しいほどの多額の費用が必要であり、クラウドファンディングという形で資金を募るに至りました。
わたしたちが実現したいのは、「海の時間を戻す」ことです。
特産品を、町を、地域産業を守るために、あたたかいご支援をいただけますと幸いです。
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▲畠口町の海苔養殖業者の皆さん
目次
畠口町漁港の現状
本プロジェクトに興味を持っていただきありがとうございます。畠口漁業協同組合長の澤村開朗と申します。
私が5年前に組合長となって久しぶりに生まれ育ったこの海に船で出たとき、その変容振りに驚きしかありませんでした。
港は泥の流入が激しく、船が泥の上に座っている状態を目にしました。
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▲出港できなくなっている船
泥の質も記憶のものとは全く違いました。
以前のような、干潟でトビハゼが生息している泥という感じはまるでなく、深く堆積した固いヘドロが一面に広がっていたのです。
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▲航路に堆積する泥
少なくとも30年前、私の幼少時には畠口の海には豊富にアサリ貝が生育し、アサリを採り、カニを捕まえて遊んでいた記憶がはっきりと存在し、更に昔を振り返ると、亡くなった祖母は海老や魚介類も豊富でどこにも負けないくらい豊かな海だったと話しておりました。
『このままでは町の基幹産業である海苔養殖も営むことができなくなってしまうのではないか』と危惧しております。
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なぜ漁港の環境が変化したのか?
畠口町漁港は、フェリー発着港である熊本港に隣接しております。![/data/ec/474/hata106.jpg](https://msat.glocal-cf.com/data/ec/474/hata106.jpg)
▲漁場から見た熊本港
1993年に熊本港が開港して以降、熊本港と漁港との間に積まれた石積がフェリー運航で巻き上げられる土砂の直接的な流入を防ぐことで共存をしていました。
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▲石積:航路に沿って石が積み上げてあります
しかし、2016年の熊本地震で石積が崩壊。土砂流入を防ぐことができなくなり、年々滞留していく土砂が漁船の航路を塞ぐようになってしまいました。
今現在、出港した漁船は少し航路を外れると滞留した土砂に乗り上げてしまいます。
そしてその状況は日を追うごとに、目に見えて悪化しております。
クラウドファンディングで実現したいこと
本プロジェクトを通じて、以下の環境改善実施を目指します。1 | 熊本地震で崩壊した航路石積の再興 |
---|---|
2 | 漁港に堆積した土砂の掘削除去 |
3 | 撹拌試験や微生物を利用した水質向上 ※方法や連携企業を検討中 |
畠口漁協の利用する漁場はその区域によって熊本県、熊本市、そして国交省の管理に分かれていますが、石積は行政区の管理外にあるエアポケットのような特殊な区域に存在しています。
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また、構築した当初は石積に沿って外灯を設置し、夜の航路を照らす役割を果たしていたと想定されますが、いつ、誰が構築したものなのか記録が残っておりません。
これまで行政に対して復旧の依頼もしてきましたが、管理下にない石積および石積の存在する場所に対しての支援は期待できない状況にあります。
言い換えるなら、本プロジェクト以外に、石積を再興し、またその周辺の土砂を除去する手段はないのが実情です。
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私たちがしたいこと、皆様からご協力を賜りたいことは、何かしらの近代的な設備を導入することでも海岸に高い壁を築くことでもありません。
熊本地震以降に変化してしまったものをリセットし、「海の時間を戻す」ことです。
昔の姿に少しでも戻すことで、海の時間を巻き戻し、豊かな海を取り戻す可能性があると考えております。
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▲シーズン中の漁場
資金の使い道
環境改善に必要な資金の内訳は以下の通りです。✓最低限の滞留土砂掘削 700万円~800万円
航路石積の再興に必要な資金600万円を第一目標とし、目標達成後、滞留土砂掘削等に必要な資金をネクストゴールとして募集いたします。
・ご支援いただいた資金との差額については自己資金にて補填し、実行可能な環境整備をおこないます。
・上記必要資金を賄えず規模縮小して実行する場合も想定されますが、実現することのできた環境改善については本プロジェクトページ上でご報告させていただきます。
・滞留土砂の量は莫大で、一朝一夕でどうにかできるものではありません。上記必要額を超えてご支援いただきました場合は、土砂掘削費用に充当し、少しでも多くの土砂を掘削することで、より自然な環境に近づけます。
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▲以前の滞留土砂掘削の様子
今後のスケジュール
2023年10月末
海苔養殖の漁期開始
2024年5月末
漁期終了
2024年6月~
石積工事開始、漁港環境保全
2024年7月下旬
滞留土砂の掘削
その他、撹拌試験や微生物を利用した水質の向上について、実施方法や時期を検討しています。
ご支援コースの紹介
畠口町漁港で今季採れた海苔を返礼するコースもご準備しております。
海苔のプロである私たちが厳選したおススメの等級のものをお送りいたしますので是非ご賞味ください。
畠口応援コース 3,000円/口~
返礼の品
(1)御礼の手紙味付け海苔コース 5,000円
返礼の品
(1)御礼の手紙(2)畠口で採れた味付け海苔 半切10枚
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焼き海苔コース 7,000円
返礼の品
(1)御礼の手紙(2)畠口で採れた焼き海苔 全形20枚
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乾海苔コース 7,000円
返礼の品
(1)御礼の手紙(2)畠口で採れた乾海苔 全形20枚
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盛り合わせコース 15,000円
返礼の品
(2)畠口で採れた味付け海苔 半切10枚
(3)畠口で採れた焼き海苔 全形20枚
(4)畠口で採れた乾海苔 全形20枚
(5)ふりかけ 1個
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畠口応援コース(10万円) 100,000円
返礼の品
(1)御礼の手紙(2)1口毎に、畠口で採れた海苔を使った商品10,000円分(送料込)
畠口応援コース(100万円) 1,000,000円
返礼の品
(1)御礼の手紙(2)1口毎に、畠口で採れた海苔を使った商品100,000円分(送料込)
プロジェクトメンバーからのメッセージ
畠口漁業協同組合 組合長
澤村 開朗
私が畠口町漁協の組合長を拝命し5年目となります。
県内金融機関で10年間の勤務後、農業生産法人の経営を経て、海の仕事に携わることとなりました。
同時に環境系開発型ベンチャー企業の役員もしております。
これまでの社会人生活の中で、様々な業種の方々に携わることができました。
その中で何よりも一次産業の重要性を強く感じております。
人が生活する上で「食」は欠かせないものであり、その根本を成すのが一次産業です。
同時に「食」は文化でもありますので一次産業も文化を構成する重要な役割をもっています。
海苔もその文化の一役を担うものであると確信しております。
私は何者にもなり得ませんが、この漁港の町の最も重要な産業としての海苔養殖の火を消さないために、畠口町に根付いてきた海苔養殖の文化を後世に紡ぐための歯車の1つになれたら幸いであると思っております。
畠口漁業協同組合 副組合長
北村 友生
2016年4月14日の前震、16日の本震で6強もの地震が2回にわたって地面および海底を揺らしました。
四番漁港地(畠口町漁港)先の航路石積が地盤沈下を起こしたことにより、航路の潮の流れ、風波等が変わり、長年に渡って大量の海の土砂が蓄積している現状となっています。
毎年、四番漁港内では膨大な予算をかけて浚渫(しゅんせつ)工事を実施していますが、漁港内をどれだけ浚渫してもまた蓄積して大事な航路は浅いままです。
海の満ち引きを見て船舶を航行する海苔養殖において、以前より時間的な制約を受ける状況は収量にも大きく影響しています。
どうにか石積を再建して土砂の流入を防ぎ、安心安全に船舶の航行を実現できないかと切実に願っています。
本プロジェクトに関心を持ち本文を読んで頂きました方に心より御礼申し上げます。
畠口町漁港の環境は前に進むためにというより、戻るために多くの人の手を必要としております。それは、海と共に生きてきた先人たちの想いを、漁業を生業としていく次の世代へと繋いでいくことでもあります。
何とぞ皆様のご高配を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
そして、皆様の一番近くの海でも、思い出のある海でもどこでも良いと思いますので、海の環境に関心をもって頂くきっかけとなれば幸いでございます。
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目標金額に満たない場合も、計画を実行し、お礼の品をお届けします。
- 2024年1月19日 16:00海苔シーズンが始まっています!
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本年度の海苔シーズンは有明海の海水温が下がらず、史上最も遅い海苔の種付けからスタートしました。
しかし、生育自体は順調に推移し、その年1番に収穫される“秋芽海苔”の収量は量・質共に不作であった昨年の同時期を大きく越える結果となりました。
年が明けて、いまの有明海は海水温の高温・降水量の不足・プランクトンの増加(赤潮の発生)・栄養塩不足といった環境の中、自然を相手に一進一退の攻防戦が継続しております。
実際、佐賀県・福岡県においては海の状況が悪く、1月1日の網入れが2週間程度ずれ込んでいるようです。また、シーズン4回目となる1月24日、25日の入札がキャンセルとなっており、1月15日時点、有明海で海苔を摘採できているのは熊本県のみであります。
有明海の美味しい海苔を食卓へ届けられるように、今後の気温低下、降水量の増加、適度な強風を待ちながらこれからのシーズン後半も海苔づくりを続けて参ります。
- 2023年12月22日 17:30募集開始のご挨拶
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初めまして。畠口漁業協同組合長の澤村開朗と申します。
豊富な地下水と栄養が海に流れることによって、良質な海苔が育つ有明海。
有明海の干潟の恵みを受けて、畠口町漁港では古くから海苔養殖をおこなって参りました。
今、畠口町漁港ではこの基幹産業を永続できなくなる危機に直面しております。
航路に沿って積み上げていた石の壁が熊本地震によって崩壊したことにより、漁場に土砂が流入するようになりました。
アサリは採れなくなり、出港した漁船は少し航路を外れると滞留した土砂に乗り上げてしまう状況にあります。
熊本地震で崩壊した石積の再興とその周辺の土砂掘削をおこない「海の時間を戻す」。
そのためのご支援をいただきたいと思い、本プロジェクトを立ち上げました。
特産品を、町を、地域産業を守るため、あたたかいご支援をいただけますと幸いです。